
何だかんだ言っても、やはりみんな幸福な生活を望んでいるのではないでしょうか。そのために、日々生活し、活動し、出逢いなどなど行っています。日常の生活で感じた事、実際に経験したことなど、徒然のままに、記録してみます。
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2025年10月30日木曜日
交渉の破綻と禁輸政策によってアメリカに追い詰められた日本『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より
交渉の破綻と禁輸政策によってアメリカに追い詰められた日本
アメリカが日本に戦争を仕掛けてくる理由もなく、かつ日本はアメリカを信頼していたので、アメリカ側が日本に受け入れられない要求を突きつけ、さらにABCD包囲網を作って戦いを挑んでくることなど予想できませんでした。
1941年に入り、アメリカは計画どおり日本との交渉を破綻に向けてきます。1941年の春頃にはまだ日本政府や外交に当たる人は「日本がある程度アメリカの要求を受け入れればアメリカは日本との戦争を避けると思う」という間違った観測をしていました。
日本政府は「常識的な考えと対応」をしましたが、日本政府の提案はすべて失敗しました。日本は「アメリカからの要求をまじめに考え」、「妥協できるところを整理し」、「できるだけ誠意を持ってアメリカに回答する」ということを何回も繰り返したのです。
でも、そんなことは何の意味もありませんでしたし、かえって混乱を深めていきます。
「交渉を破綻させるのが目的」のアメリカと、「譲歩によって戦争を避けようとした」日本では話になりません。アメリカがやや無理な要求をする。日本がそれに応えて若干の譲歩をする。アメリカはさらに無理な要求をする。日本は「どこまで譲れば良いのか?」と不安になりながらさらに譲る。ついにアメリカの要求は絶対に日本がのめないものになる。しかも、アメリカはアジアから遠く離れた国で、まったくアメリカの利害
と関係のないことを求めてくる……。
アメリカが世界を支配しているとか、アメリカが国際連盟を代表しているというのなら別ですが、アメリカは単なる一国家で、主権という意味では日本とまったく同格です。
また支那の中華民国と特別な関係にあり、同盟などがあって日本と戦う必要があるということでもありませんでした。
「何にもアメリカに迷惑がかかっていないのに譲れない要求をしてくる……」という不満が日本政府の中にもたまってきて、だんだん「戦うしかない」という方向になっていきます。これこそが、アメリカの策略だったのです。
アメリカからいくら酷い要求が来ても、それを無視するという考え方もありましたが、それでもアメリカが「最後の手段」、つまり日本に対する「石油と鉄の禁輸」を実施して来るので無視することもできなくなったのです。
当時はまだ今と比べるとエネルギーの消費量は少なかったのですが、汽車や自動車、工場での動力などに石油が欠かせませんでしたし、鉄がなければ橋やビルも建てられません。そして、軍隊は鉄と石油で動いているようなものです。戦車、戦艦はもとより小銃に至るまで鉄は不可決ですし、石油がなければ戦闘機も飛べなくなってしまいます。
もしアメリカの対日禁輸が実施されると、7ヶ月から2年以内に日本は戦闘機も戦艦も動かせなくなります。そうなると、これまでの戦闘で領有していた千島、樺太、満洲、朝鮮、台湾などをすべて放棄せざるを得なくなるばかりか、本土すら防衛できないという状態に陥ります。

『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016) 『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720251030

『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016) 『ナポレオンと東条英機』武田邦彦 ベスト新書(2016)より R0720251030
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