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2024年12月13日金曜日

◎文科系の人間は進歩に懐疑的

◎文科系の人間は進歩に懐疑的 日下: 感情的に動くとは、具体的にどういうこと? 武田: 日本人、ことに文科系の人たちですが、進歩に対する確信がないというか、もっとはっきりと言えば、「この世の中は進歩によって、人間の知恵というものによっていい方向に動いている」という確信がないんですね。 私はよく高等学校などに講演に行くのですが、そこで非常に強く感じるのは、生徒さんはみんな科学が人間や社会を悪くしていると思っている。 日下: それはいま? 武田: これは二十年くらい前からそうですね。 ですから、私は高校に講演に行って、「一九二〇年の日本の平均寿命は四十三歳です。 いま、八十歳くらいですと。これは科学技術の進歩によるもので、科学というものは、命を救うという意味では、こんなに多くの命を救っている」というような話をします。 そして、「寿命が長くなったほうがいいと思いますが、最終的にはどちらを選択するかは、人間が選択するものです。別に、科学の進歩で寿命が長くなったといっても、科学自体が選ぶわけではない。科学はその産物をショーウィンドウに飾るだけです」と。 つまり、科学の進歩自体がこの社会を悪くしているわけでもよくしているわけでもない。 どちらかといえば、寿命が長くなったように、科学は、私たちの選択の幅を広げているわけです。ところが、社会の悪い面ばかりを見て、それが科学の進歩のせいだと思い込んでいる。大人がそう思っているから、高校生がそう思うのでしょうね。 技術系はショーウィンドウに飾るだけで、そのショーウィンドウに飾られたものの中から、社会の幸福のために何をピックアップするかは、私に言わせれば文科系、事務系の人たちの役割です。 「それは技術系がやるべきだ」と言う人もいますが、私は技術の世界に住んでいますが、技術をずっとやっていると、社会や人々が本当は何を希望しているのかがよくわからなくなってしまうんですね。 たとえば、原爆をつくったことがいいかどうかという問題があります。技術系にはそれがいいことか悪いことか、わからないのです。 原爆をつくったおかげで、米軍は日本に上陸せずに済んだわけです。もし米軍が上陸したら、死者は六十万人にも及ぶだろうと言われていました。アメリカ軍は、原爆を落としたら死者は五万人と推定しました。 つまり、論理の世界では、六十万対五万ということであれば、原爆投下によって、死者は十分の一ですむことになります。極端な話ですが、死者数だけを取り上げれば、技術系としては原爆を使う選択もありうるかと思ってしまうというところがあるのです。毎日毎日、技術を相手にしているから、それは仕方がないところがあるのですね。 ですから、私はその技術を使ったほうがいいかどうかの判断を技術者に任せるということは難しいと思うんです。社会の側が技術の判断をしなければならない。すると社会の側に技術の理解が必要なんです。 そこで手前味噌になってしまうのですが、私はいま歳をとって先端の研究活動をやらないので、社会に技術を理解するための手助けをする活動をしています。つまり、「この技術とはこういうものである。遺伝子工学はこういうことである」などと、技術音痴の文科系の人にも理解できるように、解釈をするわけです。 たとえば人間の人体のDNAは半分が人間のDNAで半分が微生物のDNAで、ちょうど半分ずつだといったことです。「このように人間は共生しているので、遺伝子工学でつくった作物が、人間の遺伝子に影響がないということは一応科学的に証明されています」などと。 それでも社会が受容するかどうかはわかりませんが、重要なのは、科学者のほうからそういうことをきちんと社会に対して発言していき、「社会にどうしますか?」と聞かなければいけないというのが、私のスタンスなんです。 『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より R061213 P72

【公式】武田邦彦の「ホントの話。」第176回 シリア、日本の戦争、日本の環境。コロナワクチン。ドウデュース、獺祭

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【ニッポンジャーナル】伊藤俊幸(元海将)&飯田泰之(経済学者)が最新ニュースを解説!

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R6 12/13【ゲスト:森下 つよし】百田尚樹・有本香のニュース生放送 あさ8時! 第519回

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2024年12月12日木曜日

◎日本ではなぜ予防原則がきちんと機能しないか

◎日本ではなぜ予防原則がきちんと機能しないか 日下: ヨーロッパでは行なわれる、予防原則のきちんとした適用のようなことが、なぜ日本ではできないか。 それは、日本では役人が「自分のしたことは絶対に誤りはない」という顔をしていたいからでしょう。「再検討する」「見直しをする」のは、その問題について大政治家が口ばしを入れてきて、その政治家が指示したときだけです。そして政治家が動くというのは、業界から献金をもらったときということになる。 武田: 私はそれほど悲観的ではないのですけど。 ある公害問題、たとえば、水俣病などが起こる。そこで、いろいろな人たちが貢献して、猛烈に問題提起が起こり、技術系なりシステムの人たちがワーと努力して、改善されていくわけです。社会システム的には予防原則というのができる。技術系では、公害対策というのが進んでいきます。 そのときに日本では、さきほどダイオキシン問題のように、予防原則がもの凄く歪んでしまった。なぜ、そうなったかと考えると、社会的なシステムを運用する文科系、事務系の人たちに問題があるのではないかということなのです。 私自身の会社経験からいうと、事務系の人には大変に失礼なんですが、事務系の人が新しいプランニングをして物事をはじめたということはない。 たとえば、私が民間で原子力の仕事をしていたときに、技術的にある程度まで進んで新たな局面までいく。そうなると、それを会社の中で通常の仕事の中では、さばききれなくなってしまう。社内でそれをやることができる事務系が一人もいないからです。 つまり、企画したり進めていくという事務系は、技術系に対してもの凄くアンバランスなんです。技術系が二十人くらいいると、事務系はせいぜい一人いるかいないかくらいです。技術系は、もともと人間を勉強していないので、新たな技術なりシステムを社会の中でどう進めていくかというとき、そこで息詰まってしまう。 ある人に聞いたら、「日本の事務系は勉強していないから、アメリカの事務系のように物事を創り出すことができないよ」と言っていました。これは技術系から見た感じですから、違うかもしれないですけどね、私もそんな感じがするんです。 そのもとには、日本人は感情的に動いてしまうということがあるのではないかと。私たち技術系の人間はそうでもないのですが、事務系や一般の人たちは理系、技術系にアレルギーがあって、情のほうにぶれてしまう。 『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より R061212 P70

【ニッポンジャーナル】上念司(経済評論家)&井上和彦(軍事ジャーナリスト)が最新ニュースを解説!

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R6 12/12【ゲスト:伊藤 純子】百田尚樹・有本香のニュース生放送 あさ8時! 第518回

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