何だかんだ言っても、やはりみんな幸福な生活を望んでいるのではないでしょうか。そのために、日々生活し、活動し、出逢いなどなど行っています。日常の生活で感じた事、実際に経験したことなど、徒然のままに、記録してみます。
このブログを検索
2024年12月8日日曜日
2024年12月7日土曜日
◎ダイオキシンが毒であったら、日本人は大きな被害を受けていたはず
◎ダイオキシンが毒であったら、日本人は大きな被害を受けていたはず
日下: 人間への毒性がないということはセベソの事故ではっきりした?
武田: セベソの事故が一九七0年代半ばですから、それから二十年くらい経てば、だんだん、人間に対する影響がはっきりとわかってくるわけですね。
日本でも、一番ダイオキシンが多かったのが一九七〇年頃です。それは農薬の水田の除草剤(じょそうざい)の中にダイオキシンが入っていたからです。これは世界でもダントツに多くて、計算してみたら枯れ葉剤が一番多く撒かれていたときのベトナムの森林のダイオキシンの約八倍のダイオキシンが日本の水田に撒かれていたことになります。
ですから、ダイオキシンがもし毒であれば、人種の差はあっても、日本人は大きな打撃を受けたと想像されるのですが、実際にはそんな被害はなかった。
日下: ダイオキシンが除草剤として使われていたわけ?
武田: ダイオキシンを直接に除草剤として使ったわけではありません。あの頃は、塩素系の除草剤を使っていたのですが、それを合成するときにダイオキシンが不純物として入ってしまう。そうしたダイオキシンを含んだ除草剤が二種類あって、それが一般的に除草剤として撒かれていたのです。
ですから、日本の水田では、結果的にダイオキシンの量が一九七〇年に高くなった。現在の量のちょうど二十倍くらいです。
日下: ダイオキシンが毒だったら、その当時の農民や米を食べていた国民全体に影響があったはずだというわけだ。
武田: そういうことになります。いずれにしろ、すぐにわかることではなく、七〇年頃だとしたら、九〇年頃には影響が出てきているはずですから。
しばらくすると、ダイオキシンを通常人の千倍から一万倍も浴びている仕事というのがわかってきました。どういう仕事の人かといえば、煙突掃除夫であり除草剤の製造者であり、アメリカの枯れ葉剤作成者ですね。そういう人が世界でだいたい四十三万人いる。その四十三万人を追跡調査したわけですが、追跡調査に時間がかかったんです。
そうした仕事でダイオキシンを摂取しているのはだいたい男性です。女性で高度被爆は、セベソ事故くらいしかない。それもあって、最終的な結果が出るのが遅かったんです。
ダイオキシンの大きな毒性として考えられたのは、発ガン性と、催奇性つまり奇形児の問題です。発ガン性は、対象者がある程度まとまらないとガンがどのくらいで生じるかがわからないので時間がかかる。奇形については、子どもを産まなければわからないわけですね。
一般の人がダイオキシンが怖いというのは、下半身がつながった結合双生児として産まれた双子の兄弟ベトちゃん、ドクちゃんの姿からのイメージが大きいのでしょう。あれは、「ベトナム戦争で使われた枯葉剤の影響」と言われました。
日下: あのイメージは大きかったでしょうね。ベトナムの戦争博物館にはその写真が大きく展示されていて、アメリカ人観光客が一寸真剣な顔で見ていました。
武田: しかし、ベトちゃん、ドクちゃんとダイオキシンについては関係は認められていません。
それで、ダイオキシンの人間への害に対する結果が出てきはじめたのが、ようやく一九九〇年頃からで、ほとんど主な論文が一九九九年からのものです。
『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より
R061207 P55
2024年12月6日金曜日
◎ダイオキシンがなぜ問題になったのか
◎ダイオキシンがなぜ問題になったのか
日下: ダイオキシン問題とは、ラットについての毒性が喧伝(けんでん)されたわけですね。
武田: ダイオキシンはラットやモルモットに対する毒性が強いのです。同じネズミ類でもハムスターに対してはそれほど強い毒性を持っていない。ですから、ラットやモルモットヘの影響とハムスターヘの影響は違うし、さらに人間となると、その影響はまったく異なります。動物実験で毒性があると判定された物質をどう考えるかは、とても難しい問題なんです。
たとえば生物はさまざまで人間は酸素が必要ですが、逆に酸素があると死んでしまう生物も多くいます。それらの生物は地球上に酸素が少なかった時代の名残(なごり)です。硫化水索は人間にとっては猛毒ですが、硫化水素を使って生きている生物もいます。
ですから、ある生物には毒だというデータ結果は、最初の研究のきっかけになるだけで、だから、人間にも毒だ」と言えるわけでありません。また、ある生物にとって毒性があるものだからといって、それが増えることで環境を汚すというわけではないのです。
かつて「サリドマイド事件」というのがあったのをご存知だと思います。一九五〇年代末~六〇年代はじめにかけてのことですが、睡眠・鎮静剤として開発されたサリドマイドを妊婦が服用したところ、生まれてきた赤ちゃんに奇形が生じた薬害事件です。全世界での被害者は三千人以上(死亡した胎児を含めると五千人以上)、日本でも三百人以上と言われています。
このサリドマイドは、ダイオキシンとは反対に霊長類を含めた動物実験では十分に安全だったのですが、人間には毒だったという例です。つまり、「動物に毒イコール人間に毒」とは限らないし、「動物に安全イコール人間に安全」とも限らないということです。
「動物に毒だったから人間にも毒だ」「動物では安全だから人間にも安全だ」などと、頭から思い込んでしまうと、かえって危険だということです。ですから、人間についての毒性については、きちんとした検証が必要なのです。
日下c動物実験では十分に安全であっても、人間に毒性がある場合もあるというわけだ。
武田: そうです。その例がサリドマイドで、ダイオキシンはちょうど、それとは反対なのです。ダイオキシンがなぜ問題になったのか、ちょっと歴史的な経過をたどると、一九七二年前後に一部の学者がダイオキシンという化合物を単離(たんり){ 参考・単離とは、混合物から純物質を物理化学的原理に基づいて分離する操作のこと}したときに、簡単な化合物なのですが、ちょっと知識がなかったのか、新しい物質と錯覚したんです。それで大変に毒性が高いということがわかった。
もう―つのポイントは、ダイオキシンの毒性を強調する側の弁護になるのですが、毒性の現われ方が新しかった。たとえばシアン系の毒物なら呼吸が止まる。サリンだと神経系が止まる。ところがダイオキシンの場合、何が止まるのか、わからない。そういうこともあって、科学者は非常に注目した。
そのあと一九七六年のことですが、イタリアのセベソ{ 参考:一九七六年七月十日にイタリアのロンバルディア州、ミラノの北二十五キロ付近に位置するセベソの農薬工場で発生した爆発事故。この時点のセベソ地区は人口一万七千人、周辺地域を含めて六~十万人という地域に、人間にすれば二十二億人の致死量(モルモットでの数値)のダイオキシンが町に降ったのです。それで大騒ぎになって、日本の新聞もそのへんからダイオキシンに関心を抱くようになり、いろんな研究が行なわれるようになりました。
世界中が関心を持って、この町に住む人がどうなるかを見守りました。町に住む人は当然、恐れおののきました。しかし、このセベソでは、結局は一人も患者さんが出なかったのです。ダイオキシンはちょっと脂肪に溜まる傾向があるので、記録を見ると男性より女性の方が体内蓄積量は六倍と言われていますが、現実的な障害者は出てはいません。
現実に大きな被害があったのは、奇形児が生まれるという噂によって推定六十人の妊婦が中絶したことです。中絶した胎児の記録も残っていて、私はそのすべてを知っているわけではありませんが、胎児は正常でした。
その後、セベソは三十年経っているのですが、中絶を免れて生まれてきた子どもには、奇形児の発生は見られないということです。
『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より
R061206 P52
◎ダイオキシンがなぜ問題になったのか
◎ダイオキシンがなぜ問題になったのか
日下: ダイオキシン問題とは、ラットについての毒性が喧伝(けんでん)されたわけですね。
武田: ダイオキシンはラットやモルモットに対する毒性が強いのです。同じネズミ類でもハムスターに対してはそれほど強い毒性を持っていない。ですから、ラットやモルモットヘの影響とハムスターヘの影響は違うし、さらに人間となると、その影響はまったく異なります。動物実験で毒性があると判定された物質をどう考えるかは、とても難しい問題なんです。
たとえば生物はさまざまで人間は酸素が必要ですが、逆に酸素があると死んでしまう生物も多くいます。それらの生物は地球上に酸素が少なかった時代の名残(なごり)です。硫化水索は人間にとっては猛毒ですが、硫化水素を使って生きている生物もいます。
ですから、ある生物には毒だというデータ結果は、最初の研究のきっかけになるだけで、だから、人間にも毒だ」と言えるわけでありません。また、ある生物にとって毒性があるものだからといって、それが増えることで環境を汚すというわけではないのです。
かつて「サリドマイド事件」というのがあったのをご存知だと思います。一九五〇年代末~六〇年代はじめにかけてのことですが、睡眠・鎮静剤として開発されたサリドマイドを妊婦が服用したところ、生まれてきた赤ちゃんに奇形が生じた薬害事件です。全世界での被害者は三千人以上(死亡した胎児を含めると五千人以上)、日本でも三百人以上と言われています。
このサリドマイドは、ダイオキシンとは反対に霊長類を含めた動物実験では十分に安全だったのですが、人間には毒だったという例です。つまり、「動物に毒イコール人間に毒」とは限らないし、「動物に安全イコール人間に安全」とも限らないということです。
「動物に毒だったから人間にも毒だ」「動物では安全だから人間にも安全だ」などと、頭から思い込んでしまうと、かえって危険だということです。ですから、人間についての毒性については、きちんとした検証が必要なのです。
日下: 動物実験では十分に安全であっても、人間に毒性がある場合もあるというわけだ。
武田: そうです。その例がサリドマイドで、ダイオキシンはちょうど、それとは反対なのです。ダイオキシンがなぜ問題になったのか、ちょっと歴史的な経過をたどると、一九七二年前後に一部の学者がダイオキシンという化合物を単離(たんり){ 参考・単離とは、混合物から純物質を物理化学的原理に基づいて分離する操作のこと}したときに、簡単な化合物なのですが、ちょっと知識がなかったのか、新しい物質と錯覚したんです。それで大変に毒性が高いということがわかった。
もう―つのポイントは、ダイオキシンの毒性を強調する側の弁護になるのですが、毒性の現われ方が新しかった。たとえばシアン系の毒物なら呼吸が止まる。サリンだと神経系が止まる。ところがダイオキシンの場合、何が止まるのか、わからない。そういうこともあって、科学者は非常に注目した。
そのあと一九七六年のことですが、イタリアのセベソ{ 参考:一九七六年七月十日にイタリアのロンバルディア州、ミラノの北二十五キロ付近に位置するセベソの農薬工場で発生した爆発事故。この時点のセベソ地区は人口一万七千人、周辺地域を含めて六~十万人という地域に、人間にすれば二十二億人の致死量(モルモットでの数値)のダイオキシンが町に降ったのです。それで大騒ぎになって、日本の新聞もそのへんからダイオキシンに関心を抱くようになり、いろんな研究が行なわれるようになりました。
世界中が関心を持って、この町に住む人がどうなるかを見守りました。町に住む人は当然、恐れおののきました。しかし、このセベソでは、結局は一人も患者さんが出なかったのです。ダイオキシンはちょっと脂肪に溜まる傾向があるので、記録を見ると男性より女性の方が体内蓄積量は六倍と言われていますが、現実的な障害者は出てはいません。
現実に大きな被害があったのは、奇形児が生まれるという噂によって推定六十人の妊婦が中絶したことです。中絶した胎児の記録も残っていて、私はそのすべてを知っているわけではありませんが、胎児は正常でした。
その後、セベソは三十年経っているのですが、中絶を免れて生まれてきた子どもには、奇形児の発生は見られないということです。
『作られた環境問題』NHKの環境報道に騙されるな! 武田邦彦・日下公人 (WAC 文庫 平成21年発行)より
R061206 P52
登録:
投稿 (Atom)