何だかんだ言っても、やはりみんな幸福な生活を望んでいるのではないでしょうか。そのために、日々生活し、活動し、出逢いなどなど行っています。日常の生活で感じた事、実際に経験したことなど、徒然のままに、記録してみます。
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2026年5月23日土曜日
R080523(土)午前8時10分配信開始【大谷翔平出場】【ドジャースライブ】ドジャース対ブリュワーズ 5/23 【野球ラジオ調実況】
R080523(土)午前8時10分配信開始【大谷翔平出場】【ドジャースライブ】ドジャース対ブリュワーズ 5/23 【野球ラジオ調実況】 #大谷翔平 #ドジャース
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◆ 韓国併合において日本は、植民地政策ではなく同化政策をとりました ◆『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より
◆ 韓国併合において日本は、植民地政策ではなく同化政策をとりました ◆
韓国併合については当時の国際関係と倫理観で考えて処理しなければならず、現在においての朝鮮半島は朝鮮民族のものであるという現行の国際常識に沿って考える必要がありますが、今の朝鮮半島に暮らす人々および日本国内の一部の人々には、1910年に日本は朝鮮を植民地化して35年間にわたる過酷な植民地支配を行った、とい
う考え方があります。
韓国併合において日本は、植民地政策ではなく同化政策をとりました。
植民地政策とは、支配下に置いた地域から何もかもを搾取する政策です。そのためには残酷な手段もとります。
たとえば、イギリスはインドを植民地としましたが、自国の綿産業の利益を守るために数万人のインド現地の綿職人の手首を切り落とした、といった話が残っています。
植民地政策および植民地支配とは、そういうものです。当時はすでに台湾も統治下にありました。日本は、朝鮮人も台湾人も日本人も皆同じであるからみんなで発展しよう、大日本帝国としてまとまった限りは同じように発
展しよう、という思想の下に統治政策を展開していきました。
たとえば、日本は1924年、大阪と名古屋での計画を延期してソウルに帝国大学を設立しています。
『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080523

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第四章・覚醒の時代 連載第七十六話 丸山ワクチン
第四章・覚醒の時代 連載第七十六話 丸山ワクチン
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第 四 章 ・ 覚 醒 の 時 代
第 七 十 六 話
丸山ワクチン
― 三 十 日 分 の 、 ひ と つ の 希 望 ―
書店通いの中で、丸山ワクチン、という治療法のことを、自分は、知った。
当時、社会的にも、話題になっていた治療法だった。日本医科大学の、丸山千里先生というお方が、長年のご研究の末に、開発なさったお薬。結核菌から精製された、ある成分が、がんに対しても、何らかの作用を、もたらすのではないか——というお考えに基づくものだった。当時の医学界では、その評価をめぐって、賛否が、分かれていた。けれども、書店の医学書のコーナー、健康法のコーナー、そして雑誌の記事——いくつもの場所で、丸山ワクチンのことが、取り上げられていた。
その記事を、自分は、片端から、読み込んだ。
どこで処方を受けられるのか。費用は、いくらか。投与の方法は、どんなものか。実際に投与を受けた患者の経過は、どうだったか。賛成派の医師の見解と、慎重派の医師の見解と、両方を、ノートに、書き留めていった。当時の自分は、医学の素人だった。素人の自分が、医学界の賛否を、判断することは、できなかった。けれども、書店の棚から拾い集めた情報の中で、ひとつだけ、はっきりしていたことがあった——丸山ワクチンを試した患者のお話が、いくつも、紙の上に、残っていた、ということ。試した方々が、確かに、いる。それなら、自分も、試してみたい。それが、若い夫の、ひとつの判断だった。
◇ ◇ ◇
立川病院で、丸山ワクチンの処方を、申請することができる、と知った。
当時、丸山ワクチンは、患者の家族が、所定の手続きを経て、申請を行い、医師が、それを患者に投与する、という仕組みになっていた。普通の市販薬とは、違っていた。有償の治験薬、という位置付けだった。書類を、自分の手で、整えて、申請を、提出した。申請書を書きながら、自分は、また、ノートを取り出して、書物で学んだ知識と、申請書の項目とを、照らし合わせた。素人なりに、間違いのない申請を、しようとしていた。
申請は、通った。
三十日分の薬が、若い夫の手に、届いた日のことを、自分は、今でも、ぼんやりとは、覚えている。受け取った時の、何とも言えない、ひとつの重さ。書物の中で、ずっと文字として読んできた治療法が、今度は、実際の薬として、自分の手の中に、降りてきていた。紫根牡蛎湯の生薬の紙包みを、紀伊国屋漢方堂で受け取った、あの日の感触に、どこか、似ていた。けれども、丸山ワクチンは、書物の処方ではなかった。当時の医学界の、賛否のただ中にある、ひとつの実験的な治療法だった。その薬を、自分は、受け取った。
◇ ◇ ◇
投与は、皮下注射だった。
病室で、看護婦さん方が、毎日、妻に、注射を打ってくださった、と思う。具体的な投与のお時間や、どなたが打ってくださったかは、もう、はっきりとは、覚えていない。ただ、その三十日の間、毎日、丸山ワクチンが、妻の体に、注がれていった。一日、また一日と、薬が、減っていった。三十日分の薬が、ひとつずつ、使われていく毎日が、続いていた。
そして、自分は、何か、感じていた。
何だったかは、もう、思い出せない。妻の病状の、ある一部に、何か、緩和したような、感触があった。痛みが、わずかに軽くなったように感じたのか。お顔色が、少し、よくなったように見えたのか。食欲が、わずかに戻ったように感じたのか。それが、具体的に何だったかは、半世紀近く経った今、もう、思い出せない。けれども、確かに、何か、自分の中で、感じていた。気のせいだったかもしれない。妻の体が、その時期、たまたま、小さな揺らぎの中で、わずかに上向いた瞬間と、重なっただけだったかもしれない。けれども、自分は、その時、確かに、何かを、感じていた。
その感触は、後に、自分の中で、ひとつの問いとして、残ることになる。
医学者の方々のご見解と、若い夫の感触とは、ずれていた。後年、自分は、ある先生から、丸山ワクチンについて、「あれは、水と変わらないようなもの」というご趣旨のお言葉を、いただくことになる。専門家として、医学的な評価としての、ご誠実なお言葉だった。けれども、その時の若い夫の感触は、違っていた。あの三十日の間、自分は、妻の体に、何か、緩和したような、わずかな兆しを、感じていた。それは、薬の効能だったのか、若い夫の願いの投影だったのか、たまたまの偶然だったのか——半世紀近く経った今でも、自分には、はっきりとは、分からない。
◇ ◇ ◇
けれども、三十日分の薬は、終わりきらないうちに、また別の意味で、要らなくなった。
妻の容体が、その三十日の中で、急速に、悪化していった。丸山ワクチンの効能の有無を、考えている暇は、もう、なくなっていた。妻の体の中で、もっと別の何かが、急速に、進行していた。書物の中で、自分が読んできた「乳がんの五年生存率、十年生存率の厳しさ」——その厳しさが、実際の妻の体の上に、はっきりと、姿を、現し始めていた。
三十日分が、終わるか終わらないかの頃に、自分は、丸山ワクチンを、ひとつの治療法として、心の中で、手放した。
二回目の処方を、申請しに行く、ということは、しなかった。もはや、二回目は、要らなかった。妻の体に、必要だったのは、もう、丸山ワクチンではなかった。もっと別の何かを、若い夫は、急いで、探さなければならなかった。書物の中の、もうひとつ別の活路。岡山大学の先生に、お会いするための、別の旅。そして、ご自身の名前と、家族の名前を、丸ごと、組み直す、というご決断——もうひとつ別の、最も深い活路。それらが、丸山ワクチンの三十日分のあとに、若い夫を、待っていた。
◇ ◇ ◇
三十日分の薬は、効いたのか、効かなかったのか。
半世紀近く経った今でも、自分には、はっきりとは、分からない。医学的には、おそらく、効かなかったのだろう、と、後に教わった。けれども、医学的な意味での効能だけが、薬の働きの、すべてではない、と、今の自分は、思っている。あの三十日の間、若い夫は、その薬に、ひとつの希望を、託していた。希望を託す、という、その若い夫の毎日が、確かに、あった。妻もまた、その薬を、毎日、ご自分の体に受け入れながら、生きてくださっていた。それが、すべてだった。
丸山ワクチンの三十日分が、若い夫婦の毎日に、ひとつの、リズムを与えてくれた。
夜明けの台所の紫根牡蛎湯、暗い外来での受け渡し、そして、病室での皮下注射——ひとつずつの治療法が、それぞれの場所で、毎日の輪郭を、支えていた。若い夫婦は、その輪郭の中で、目の前の三十日を、生きていた。先のことは、考えなかった。考える余裕も、なかった。ただ、目の前の一日を、ひとつずつ、生きていった。
けれども、その三十日のあとに、何が、待っていたか——その話は、また、別の話になる。
若い夫が、岡山大学に向かって、何をしようとしたか。それが、どんな結末を迎えたか。そして、若い夫が、家族全員の名前を、丸ごと、組み直す、というご決断に、なぜ、辿り着くことになったか。それらは、丸山ワクチンの三十日分が、終わりかける頃から、若い夫婦のそばに、ひとつずつ、立ち上がってくる、別の物語になる。
(つづく) R080523
◆ 制作者からのお知らせ ◆
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2026年5月22日金曜日
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5/21 竹田恒泰の「日本のソボクなギモン」第684回
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R080522(金)午前9時50分配信開始 【ニッポンジャーナル】杉田水脈×井上和彦×飯田泰之 最新ニュースを解説!
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第四章・覚醒の時代 連載第七十五話 赤ひげ
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第 四 章 ・ 覚 醒 の 時 代
第 七 十 五 話
赤ひげ
― 何 も お っ し ゃ ら な か っ た 、 と い う こ と ―
毎朝の煎じ薬の手渡しが、いつしか、自分の毎日の、当たり前の日課になっていた頃のことだった。
入院中の妻のもとに、自分は、見舞いにも、頻繁に通っていた。会社の昼休み、退勤後、休日——時間を見つけては、病院に、足を運んでいた。病棟の廊下を、何度となく、歩いた。看護婦さん方とも、顔見知りになっていった。お二人の主治医を、廊下や、病室で、お見かけする機会も、自然と、増えていった。
赤ひげ先生は、廊下の向こうから、いつも、ゆっくりとした足取りで、歩いて来られた。
こちらに気づかれると、軽く、頷かれる。短いお言葉を、お交わしになる。「いかがですか」というような、ごくありふれた一言。それから、ご自身の用事の方へと、また、ゆっくりと、歩を進められた。多くを、お話にならない方だった。
けれども、ある時、自分は、ふと、気づいた。
赤ひげ先生は、自分が毎朝、煎じ薬を運んでいることについて、何も、おっしゃらない——ということに。自分が漢方を煎じていることは、看護婦さん方からの伝達で、当然、ご存じだったはずだ。けれども、先生は、それについて、一言も、おっしゃらなかった。励ましも、なかった。注意も、なかった。ただ、廊下で出会えば、軽く、頷かれる。「いかがですか」のあとに、煎じ薬の話を、続けられることは、なかった。
◇ ◇ ◇
当時の私は、その「何もおっしゃらない」ということの本当の意味を、まだ、深くは考えていなかった。
ただ、ぼんやりと、感じていた——この先生は、止めようと、なさらない。けれども、励まそうとも、なさらない。ただ、こちらが、毎朝、煎じ薬を運んでいることを、ご存じのまま、いつもと変わらず、廊下で軽く頷いてくださる。それだけだった。当時の自分は、そのことに、ある種の安らぎを、感じていた。励ましをいただけば、かえって、こちらの覚悟が、揺らいだかもしれない。注意をいただけば、こちらの毎日が、崩れたかもしれない。先生の沈黙は、ちょうど、その両方を、避けてくださる、深い場所にあるものだった。
けれども、半世紀近く経った今、自分は、その「何もおっしゃらなかった」ということの、もうひとつの意味を知っている。
赤ひげ先生は、肺への転移が見つかった時点で、妻の余命を、ご存じだったのだろう。長年、胸部の腫瘍を、無数に、ご覧になってきた医家として、肺への転移という事実が、何を意味するかを、はっきりと、お分かりになっていたはずだ。そのご診立てを、若い夫婦には、おっしゃらなかった。妻に告げて、絶望させるべきではない、と、お考えになったのだろう。そして、若い夫にも、おっしゃらなかった。なぜか——その理由を、自分は、半世紀後の今、推察するしかない。
推察ではある。けれども、ほぼ確信に近い、推察だ。
赤ひげ先生は、私が、毎朝、煎じ薬を運んでいることを、看護婦さん方の伝達で、ご存じだった。書店で書物を読み漁り、矢数先生のご著書から処方を書き写し、秋葉原まで生薬を求めに行き、天秤ばかりで一つずつ量って、土瓶で煎じ、夜明けの暗い外来の中で妻を待たせて、毎朝、魔法瓶を届けている——私の姿を、すべて、お知りになっていたはずだ。先生は、その姿を、止められなかった。やめなさい、とは、おっしゃらなかった。たぶん、止めるべきではない、と、お考えになったのだろう。
なぜなら——その煎じ薬は、もう、医学の効能だけで、量れるものではなかったからだ。
余命が見えている妻を、私が、書物の中の知識と、自分の手の動きと、毎朝の儀式とで、何とか、救おうとしている。私の姿そのものが、私たち夫婦に、必要な何かだった——そのことを、赤ひげ先生は、深いところで、ご覧になっていたのではないか。煎じ薬が、薬として効くかどうか、という議論ではなく、私が、毎朝、煎じ薬を運ぶこと、そのことが、私たち夫婦の中で、何を支えているかを、先生は、見ておられたのではないか。だから、何もおっしゃらず、ただ、見守ってくださった。
◇ ◇ ◇
看護婦さん方のことを、自分が知ったのも、ずっと、後のことになる。
夜勤明けの看護婦さん方が、毎朝、暗い外来の長椅子で、私を待っている妻の姿を、ずっと、見ていた。そして、それを、申し送りの中で、赤ひげ先生にお伝えくださっていた——その事実を、自分が、はっきりと知ることになるのは、いつのことだったか。先生から、何かの折に、ふと、お聞きしたのだったか。看護婦さんご自身から、伺ったのだったか。それも、もう、定かではない。けれども、いずれかの時点で、自分は、それを、知った。そして、知った時に、自分の中で、何かが、深いところで、座を、定めたように、感じた。
あの暗い外来の妻の姿は、誰も見ていなかったのではなかった。
看護婦さん方が、見ていた。そして、赤ひげ先生が、それをお聞きになりながら、私たちのやることなすことのすべてを、見守ってくださっていた。電気もまだ点いていない外来の長椅子の上に、毎朝、孤独に座っていた、妻の姿は、その実、いくつもの深いまなざしに、支えられていた。それを、当時の私は、知らなかった。知らなかったまま、毎朝、魔法瓶を運び続けた。けれども、知らないところで、私たち夫婦は、見守られていた。
◇ ◇ ◇
「赤ひげ」という言葉を、自分は、転院初日の夜のノートの余白に、書き加えた。
「赤ひげ」あのノートの余白の一語。なぜ、その言葉を書き留めたのか、その時の自分には、よく分からなかった。けれども、半世紀近く経った今、自分は、その理由を、知っている。あの時の自分は、たぶん、無意識のうちに、感じ取っていたのだろう——この方は、本物の「赤ひげ」だ、と。本物の「赤ひげ」のもとに、自分は、妻を、お預けすることになる、と。そのことを、転院初日に、すでに、自分の中の何かが、感じ取っていたのだ。
そして、本物の「赤ひげ」は、何もおっしゃらないことで、若い夫婦を、見守ってくださった。
「やめなさい」とも、おっしゃらなかった。「続けなさい」とも、おっしゃらなかった。「効きますよ」とも、「効きません」とも、おっしゃらなかった。ただ、廊下で出会えば、軽く、頷かれる。その一連の「何もおっしゃらない」が、当時の若い夫には分からなかった、深い見守りの言葉だった。半世紀後の自分は、今、ようやく、そのお言葉の声を、聞いている。
◇ ◇ ◇
あの時、自分は、独りで活路を探していたつもりでいた。
夜明け前の台所も、暗い外来への道も、書店通いの昼休みも、すべて、自分一人の戦いだ、と、思い込んでいた。けれども、独りではなかった。赤ひげ先生のまなざしが、そばにあった。当直の看護婦さん方のまなざしが、そばにあった。そして、それらのまなざしの背後にある、もっと深いものが、若い夫婦のそばに、あった。それを、当時の私は、知らずに、毎朝、煎じ薬を運び続けた。知らないことで、かえって、純粋に、運び続けることが、できた。
見守られていた、ということを、半世紀後の自分は、今受け止めている。
赤ひげ先生の沈黙は、若い夫婦への、最も深い言葉だった。先生は、何もおっしゃらないことで、すべてを、おっしゃっていた。若い夫が、書物の中の知識を、紙の束の生薬に変え、天秤を使って漢方を処方し、土瓶のせんじ薬として、最後に、暗い外来の妻の手に届ける——私たちの戦場の毎日を、先生は、止めるべきではない、と、お考えになっていた。だから、何もおっしゃらず、ただ、見守ってくださった。それが、本物の「赤ひげ」の、お仕事だった。
けれども、その先生のご真意の、もう一つの側面のことは、また、別の話になる。
先生は、肺への転移という事実を、ご診立てとして、ご自身の中に、お持ちだった。そのご診立てを、若い夫婦には、おっしゃらなかった。その沈黙の、もう一つの重みのことは、永眠の後、ふたたび、立ち上がってくることになる。けれども、その話は、もっと先の章で、ゆっくりと、書くことになるだろう。今は、ただ、赤ひげ先生の見守りのまなざしが、あの日々の若い夫婦のそばに、確かに、あったということだけを、ここに、記しておく。
(つづく) R080522
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◆ 「日露戦争」を勝利に導いた、下瀬火薬と伊集院信管 ◆ 『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より
◆ 「日露戦争」を勝利に導いた、下瀬火薬と伊集院信管 ◆
技術への関心の高さを教育体制がバックアップすることで、日本の技術力は瞬く間に向上していきます。1904年から翌年にかけての日露戦争の勝利も、その背景には日本の技術力がありました。
日露戦争における勝利を決定付けたのが日本海海戦での大勝ですが、その時に活躍した技術が「下瀬火薬」と「伊集院信管」でした。
下瀬火薬は日本海軍技官の下瀬雅允が開発した火薬です。
その特徴は、金属と反応してしまうピクリン酸をどう装填するか、そのアイデアにありました。下瀬雅允は砲弾の内側に漆を塗ってピクリン酸と鉄を分離することを考案してこの問題を解決します。
これにより爆発した時の温度も高めることができました。何より当時の火薬の主流であった黒色火薬に比較して発射時の黒煙が非常に少なく、発射した後の準備が容易になり、連続発射を可能にしました。「日本艦隊の大砲の発射間隔は、ロシア艦隊の10倍短い」、と言われました。
伊集院信管は、日本海軍大佐・伊集院五郎が考案した信管です。信管とは、弾薬を計画通りに爆発させるための装置です。
飽弾の安全装置が飛行中に外れるのが特徴で、極めて敏感に反応し、飽弾がどこに命中しても着実に爆発するよう設計されていました。
日本には、こうした兵器そのものの先進性に加え、命中精度を上げる発射技術と計算力が備わっていたのです。
ちなみに、日露戦争はロシアの南下政策に対して日本が国防体制を採り、両国の国益確保にとっての重要地域である朝鮮半島を巡って起こった戦争です。
日本は勝利しましたが、ロシアの脅威は未だに強く、朝鮮半島の情勢は日本の国防を直接左右するものでした。
1910年、日本は韓国併合を行って、大韓帝国を統治下に置きます。
『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080522

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2026年5月21日木曜日
サイヤングエース級投手の証明、5回の攻防 【大谷翔平】5回無失点、防御率0.73…5回の極限の場面についてベッツが語った一言
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【大谷翔平 二刀流の咆哮!投打のエースが満塁のピンチをダブルプレーで切り抜けマウンドで吠える!】ドジャースvsパドレス MLB2026シーズン 5.21
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R8 5/21【ゲスト:森下つよし】百田尚樹・有本香のニュース生放送 あさ8時! 第843回
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R080521(木)午前9時50分配信開始 【ニッポンジャーナル】上念司×田北真樹子 最新ニュースを解説!
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第四章・覚醒の時代 連載第七十四話 夜明けの台所
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第 四 章 ・ 覚 醒 の 時 代
第 七 十 四 話
夜明けの台所
― 自 分 の 毎 日 の 、 三 つ 目 の 顔 ―
紙包みの束を、家に持ち帰った夜から、自分の毎日は、もう一つの顔を、持ち始めた。
十味の生薬は、それぞれの紙包みのまま、通気性のある箱に、収めた。湿気が、生薬の質を、損なわないように。台所の片隅、湿気の少ない場所を選んで、その箱を、静かに、置いた。当帰の紙包み、升麻の紙包み、紫根の紙包み、芍薬の紙包み、牡蛎の紙包み、甘草の紙包み、川芎の紙包み、黄耆の紙包み、忍冬の紙包み、大黄の紙包み——十の紙包みが、箱の中で、整然と、並んでいた。
天秤ばかりを、自分は、わざわざ、買ってきた。
分量の精度を、自分の手の中に、確かなものとして、握っておきたかった。料理用の計りでは、なかった。皿が二つあって、片方に分銅を載せ、もう片方に生薬を載せて、釣り合わせる、あの古い形の天秤ばかり。書物のご指示どおりの分量を、毎朝、再現するためには、その精度が、必要だった。台所の小さな机の上に、その天秤を、設置した。それが、夜明けの台所の、最初の道具となった。
◇ ◇ ◇
夜明け前の台所に、自分は、静かに、立った。
何時頃から、台所に立ったかは、もう、覚えていない。たぶん、三時か、四時頃だったろう。外は、まだ、暗かった。家の中は、しんと、静まっていた。妻は、別の大きな病院に、入院していた。家には、健慈と、自分だけが、いた。健慈は、まだ、寝床の中で、深く眠っていた。台所の小さな明かりを、灯した。それだけが、家の中の、唯一の光だった。
通気性の箱から、十の紙包みを、一つずつ、取り出した。
天秤ばかりの皿の上に、紙を一枚、敷いた。そこに、当帰の生薬を、少しずつ、載せていく。反対側の皿に、四・〇グラムの分銅を、置いていた。天秤が、ゆっくりと、釣り合うまで。釣り合ったところで、紙の上の当帰を、土瓶の中に、移す。次に、升麻を、一・六グラム。次に、紫根を、二・四グラム。次に、芍薬を、二・四グラム。次に、牡蛎を、三・二グラム。次に、甘草を、〇・八グラム。次に、川芎を、二・四グラム。次に、黄耆を、一・六グラム。次に、忍冬を、一・二グラム。最後に、大黄を、一・二グラム。
十味の生薬が、土瓶の中で、ひとつに、なった。
書物の中の数字が、毎朝、自分の手の動きとして、土瓶の中に、降りてきていた。当帰、升麻、紫根、芍薬、牡蛎、甘草、川芎、黄耆、忍冬、大黄——十味の名前を、自分は、もう、書物を見なくても、順番どおりに、量れるようになっていた。手が、書物の処方を、覚えてしまっていた。書物の中の知識が、手の動きとして、自分の体の中に、刻まれていく日々が、いつしか、始まっていた。
◇ ◇ ◇
土瓶に、水を、六百ccほど、注いだ。
これも、書物のご指示どおりの分量だった。水の量を、計量カップで、確かめた。六百ccの水が、十味の生薬と一緒に、土瓶の中で、ひとつに、収まった。蓋をして、火にかけた。最初は、強めの火で、湯を沸かす。湯が沸いてきたら、火を、弱める。あとは、ゆっくりと、煎じていく。水が、半量になるまで——つまり、三百ccに、煮詰まるまで。
煎じている間、台所の中は、独特の匂いに、満たされていった。
十味の生薬が、湯の中で、それぞれの成分を、ゆっくりと、解き放っていく。紫根の、深い色。当帰の、甘い匂い。牡蛎の、海の気配。それらが、混じり合って、台所の空気を、染めていった。土瓶の蓋の隙間から、湯気が、立ち上る。台所の小さな明かりの下で、その湯気だけが、生きているように、ゆらいでいた。自分は、ただ、土瓶のそばに、立っていた。煎じる時間というのは、待つ時間でもあった。
水が、半量になったところで、火を止めた。
蓋を取って、土瓶の中を、覗いた。深い色の、煎じ薬が、出来上がっていた。それを、こぼさないように、丁寧に、魔法瓶に、移した。一日三回に分けて、妻が、服用する分量。魔法瓶の中で、煎じ薬は、温かいまま、保たれる。蓋を、しっかりと、閉めた。台所の机の上に、その魔法瓶が、一本、静かに、座を、定めていた。書物の中の知識が、紙の束となり、天秤の上の数字となり、土瓶の中の湯気となって、最後に、魔法瓶一本の温かさへと、形を変えていた。
◇ ◇ ◇
魔法瓶を、抱えて、自分は、車に乗り込んだ。
外は、まだ、暗かった。空の縁が、わずかに、白み始めていたか、それとも、まだ、夜の名残の方が強かったか。それも、もう、覚えていない。当時の自分の車を、思い出そうとしても、車種までは、はっきりと浮かんでこない。ただ、その車に乗り込んで、運転席のシートに、魔法瓶を、しっかりと、立てて固定したことだけは、覚えている。倒れて、こぼれては、ならなかった。冷めても、ならなかった。妻のための、一日分の薬が、その魔法瓶の中に、収まっていた。
夜明け前の道は、静かだった。
多摩の家から、別の大きな病院までの道を、毎朝、走った。道の途中で、空の色が、少しずつ、変わっていく。完全に夜であった空が、わずかに、青を含み始める。その青が、徐々に、明るんでくる。けれども、街はまだ、目を覚ましていなかった。すれ違う車も、ほとんど、なかった。信号だけが、几帳面に、赤と青を、繰り返していた。自分は、ハンドルを、両手で、しっかりと、握っていた。助手席の方角に置いた魔法瓶が、車の揺れに合わせて、ときどき、わずかに、揺れた。
◇ ◇ ◇
病院に着くと、自分は、一階の外来に、向かった。
早朝の病院は、しんとしていた。外来の入口は、まだ、患者を受け付ける時刻ではなかった。けれども、自分は、その一階の外来の方へと、足を運んだ。なぜなら——妻が、毎日、そこで、自分を待っていてくれていたから。
電気は、まだ、点いていなかった。
朝のごく早い時間。外来の待合は、まだ、誰の手も、入っていない。窓から、わずかに射し込み始めた朝の光だけが、長椅子の上に、淡く、落ちていた。その薄暗い長椅子の、一番手前の場所に、妻が、一人で、座っていた。寝間着の上に、薄手の上着を、羽織って。両手を、膝の上に、揃えて。誰も、いない、暗い外来の中で、妻は、自分を、待っていた。
妻の姿を、自分は、今でも、覚えている。
暗い待合の中で、ひとり、静かに、座っておられた、その姿。物音を立てないように、たぶん、病室から、そっと、抜け出してきたのだろう。自分が、魔法瓶を持って、夜明けの中を、病院に向かっているのを、知っていて。その自分を、暗い外来の長椅子で、毎朝、待っていてくれた。何時頃から、待っていたかは、自分には、分からない。聞いたか、聞かなかったかも、もう、覚えていない。ただ、自分が、外来の入口を入った時、妻は、いつも、もう、そこに、座っていた。
自分は、妻の隣に、座って、魔法瓶を、渡した。
「煎じてきたよ」というような、短い言葉を、申し上げたはずだ。妻は、頷いて、「ありがとう」と、短く、お礼を、いった。それだけだった。それ以上の言葉は、暗い外来の中で、二人とも、必要としなかった。妻は、魔法瓶を、両手で、しっかりと、抱えた。自分は、その手が、温かい魔法瓶を、確かに、抱き取ったのを、見届けた。妻は、立ち上がって、病室の方へと、戻っていった。自分は、その後ろ姿を、しばらく、見送っていた。
◇ ◇ ◇
病院を出て、自分は、また、車に乗り込んだ。
外は、もう、すっかり、明るくなり始めていた。来た道を、今度は、家に向かって、戻っていく。同じ朝の中で、二度目の道。空の色は、行きと帰りとで、ずいぶんと、違っていた。行きは、夜の名残の中だった。帰りは、もう、朝の中だった。同じ道を、同じ車で、同じ自分が、走っているのに、空が、こんなに違う——その奇妙さを、自分は、ハンドルを握りながら、ぼんやりと、思っていた。
家に戻ると、健慈が、起き出していた。
小さな健慈の朝の支度を、整えた。着替えさせ、何か朝の食事を、とった。預け先まで、連れていった。一度、家の玄関を、もう一度、くぐって、今度は、自分の出勤の支度を、整えた。同じ朝の中に、家の玄関を、二度、くぐる。一度目は、煎じ薬を持って、家を出る時。二度目は、健慈の手を引いて、家を出る時。三度目もあった——健慈を預けて、家に戻り、自分の鞄を持って、もう一度、家を出る時。
そして、いつもの通勤の道を、会社へと、向かった。
満員の電車の中で、自分は、片手で、つり革を握りながら、別のもう一つの手は、内ポケットの中の、ノートを、確かめていた。ノートには、書店通いで集めてきた、いくつもの治療法のメモが、書き溜められていた。会社に着けば、また、いつもの仕事が、待っていた。中近東部の伝票、輸出計画の数字、海外からの照会の電話。それらをこなしながら、昼休みには、また、書店に向かった。書物の中の、別の活路を、探しに。
◇ ◇ ◇
自分の毎日は、いつしか、三つの顔を、持っていた。
夜明け前の、台所の顔。早朝の、暗い外来の顔。そして、昼間の、会社と書店の顔。家に戻れば、健慈を寝かしつけ、夜にはまた、ノートを開いて、明日の調合の準備をする。寝るのは、何時頃だっただろう。十時か、十一時か。それから、数時間眠って、また、夜明け前の台所に、立つ。その繰り返しが、いつしか、自分の毎日の、当たり前の輪郭に、なっていた。
疲れた、と思う暇は、なかった。
疲れている時間も、辛いと感じている時間も、その時の自分には、なかった。あったのは、ただ、夜明けの台所の時間。土瓶の湯気の時間。夜明けの道の時間。暗い外来の時間。妻の手に、魔法瓶を渡す時間。同じ朝の中の、二度の家の玄関。それらの時間が、ひとつずつ、毎日、繰り返されていった。
◇ ◇ ◇
あの日々の妻のお姿を、当直の看護婦さん方が、見ておられたことを、自分が知るのは、ずっと、後のことになる。
電気もまだ点いていない暗い外来で、毎朝、ひとり、若い夫を待っている若い妻——その姿を、夜勤明けの看護婦さん方は、ずっと、見ていた。そして、それを、赤ひげ先生に、告げてくださっていた。先生は、そのお話を、お聞きになりながら、何を、思っておられたのか。それを、自分が、はっきりと知ることになるのは、もっと、ずっと、後のことになる。けれども、その時の自分は、まだ、何も、知らなかった。ただ、夜明け前の台所に立ち、土瓶の湯気を見守り、魔法瓶を抱えて、暗い外来に、毎朝、向かった。それだけだった。
書物の中の知識が、紙の束となり、天秤の上の数字となり、土瓶の中の湯気となって、最後に、暗い外来の妻の手に、届けられていた。
それを、誰かが、見ていてくださった。それを知るのは、ずっと後のことになるが、見ていてくださったまなざしは、その時から、すでに、若い夫婦のそばに、あった。けれども、その話は、また、別の話になる。
(つづく) R080521
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◆ シナ(China)は場所の名前 ◆ 『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より
◆ シナ(China)は場所の名前 ◆
そもそも「中国」という国は存在しません。アジアの大陸に存在する「China」という場所に「漢」「唐」「宋」「元」「明」「清」などの王朝が交代していき、それぞれの覇権が打ち立てられたに過ぎません。
王朝の交代は前王朝を完全否定することによって完成します。新しく成立した王朝は前王朝の財宝をすべて奪い、さらには前王朝の墳墓をすべて掘り返して遺骨をバラバラにさえしてしまいます。
前王朝の権威をすべて否定してみせて、改めて自分たちが新しい国を打ち立てる、というのが中国の王朝の歴史です。そこには継続性など微塵もありません。
清は元々、万里の長城の外にある満州を本拠としていた北方系の女真族が立てた王朝です。1616年に天命帝が満州に建国し、1644年いわゆる漢民族を制圧して北京に遷都しました。
4代康煕(こうき)帝の頃に台湾を属国化し、北方領域ではロシアと交渉して国境を安定させます。6代乾隆(はんりゅう)帝の頃までには中華地域一帯を勢力下に収めるに至りました。1700年代までは世界に冠たる帝国でした。
19世紀に入ると、人口爆発やそれにともなう食料危機、経済停滞、内乱などで国カが低下するとともに、新たに、ヨーロッパ諸国の進出という対外問題を抱えることになります。1840年のイギリスとのアヘン戦争で清は大敗し、さらに日清戦争でも大敗しました。
清の軍隊が必死に戦わなかったのはその後の自国の運命を感じ取っていたからかもしれません。清は、日清戦争のすぐ後、1911年に始まる辛亥革命で滅亡したのです。
日本は、日清戦争時点で皇紀2554年、皇統が数千年にわたって引き継がれている国です。天皇の下、民はすべて平等であるという一体感が脈々と受け継がれているのです。
故郷を守る、家族を守る、民をひたすらに思う天皇のありがたさを守るという思いで一致団結して敵に立ち向かっていたのが日本の軍隊でした。
『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080521

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