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2022年10月31日月曜日

八丈島ふしぎ発見

八丈島ふしぎ発見 気象庁が過去の気象データログに載せている八丈島の実測数値(一九〇七年~)★1を眺めたとき、第一印象はほぼ横ばいでした。比熱の大きい(温まりにくく、冷めにくい)水に囲まれているうえ、都市化が激しい場所でもないからでしょう。ただし自分でグラフ化して眺めたら、一〇〇年あたりの温度上昇は、〇・二~〇・四℃と見積もれます。

 ★1八丈島年毎データ しかし同じ気象庁も、地球温暖化問題の解説が目的らしい「気候変化レポート2018」という記事には、年ごとの平均気温が元データとは少しずつちがう「八丈島の気温動向」グラフを載せ、グラフ内に「一〇〇年あたり〇・八℃」と明記しました。★2 

 ★2気候変化レポート2018 三〇年あたりに換算した〇・二四℃は、前章の値(〇・二~〇・三℃)に似ています。 ところがGISSのサイトを訪れてみると、八丈島の元 データに均質化処理を施したとおぼ しいグラフが現れ、目分量で昇温のペースは「一〇〇年あたり一・二~一・五℃」と読み取れるのです(前章に書いたとおり、そんな気温グラフがやがてIPCC報告書の素材になり、書籍やメディアを経て読者の目に触れる)。 なんだか狐につままれた気分ですが、とりあえず以上三つの数字を並べてみると、八丈島の気温トレンドは次のようになります。     情報源                         一〇〇年間の昇温幅 気象庁の実測データ          〇・二~〇・四℃ 気象庁「温暖化記事」内のグラフ    〇・八℃(グラフ内に明記) GISSサイト上のグラフ         一・二~一・五℃ GISSがどんな操作で「一・二~一・五℃」のグラフを得たのか、部外者には見当もつきません。約二九〇キロメートル先(むろん一二〇〇キロメートル圏内)にある東京の昇温が激しいため、それに「引きずらせた」結果かな‥‥と想像していますが。 GISSは、全世界二万か所以上の観測点(測定歴が七〇年を超す観測点は五〇〇〇か所ほど)からデータを集め、気温サイトに載せています。うち約一四〇か所が日本の観測点です(大半が測定歴七〇年以上)。しらみつぶしに全部を当たったわけではありませんが、東京に近い観測点のグラフは、八丈島と同様、気象庁の実測値より「右肩上がり度」が強まっているようでした。いったいどれを信じればいいのでしょうか? 『「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)

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