海外の例
都市化の強烈な昇温効果を教えてくれるおびただしい報告のうち、海外の例を二つだけ紹介しましょう。
香港の都心と郊外の町(打鼓嶺(タークーリン))につき、一九八九~二〇一五年の二七年間に及ぶ気温トレンドを比べた論文があります。年ごとのアップダウンはあるものの、都心の気温は一℃ほど上がり、郊外はほぼ横ばい(やや下がりぎみ)でした。都心の「二七年で一℃の上昇」は東京値に近く、やはり電力消費とクルマ排熱のせいでしょう。
インドの研究者が、首都デリーの近郊にある一〇〇か所ほどの自治体を対象に、夜間の平均気温と人口密度の関係を論文にしました。気温が最低の自治体に比べ、人口密度が(一平方キロメートルあたり)二万人なら一~二℃、、四万人なら二~三℃、それぞれ高いとわかります。
土地利用のありさまがちがうため正確な比較はできませんが、東京の二三区だと豊島区や中野区、荒川区の人口密度が二万人超だから、そういう区部は、日本の田舎の観測点に比べ、都市化のせいで気温が二℃くらい高いでしょう。
なお前章に述べた平均気温の上昇率(三〇年間に〇・二~〇・三℃)を思い起こせば、その二℃は、二〇〇~三〇〇年分(!)の温暖化にあたります。
『「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)
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