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2022年10月26日水曜日

都市化の威力

都市化の威力 私の郷里を貫く国道9号(京都~下関)は、子ども時代は未舗装の山陰道でした。村民と荷車と馬車が行き交い、たまに商店のオート三輪が走るくらい。一九五〇年代から舗装道路になり始め、しばらくは幹線道路の地位を保ったものの、ほぼ並行する山陰自動車道の整備が一〇年ほど前から始まり、そちらのほうが便利だというわけで、国道9号の走行車両は激減中。かたや、昔はクルマなど縁のなかった農家も、いまや一家に一台、二台はあたりまえです。 二輪車も含めた日本のクルマの台数は、一九六五年の八〇〇万台から二〇〇五~〇六年の八〇〇〇万台へと、四〇年で一〇倍に増えました。そんなふうに戦後の数十年、日本の社会が目まぐるしく変わってきたことは、還暦を過ぎた人ならしみじみ実感できましょう。 同時期に全世界で進んだのが都市化です(私の郷里が「都市」になる日は来そうもありませんが)。大都市は人口密度が高く、狭い空間で莫大な電力を使い、おびただしいクルマが走る。電力も、ガソリンのエネルギー(根元は太古の地球に降り注いだ太陽エネルギー)も、大半熱に変わってまわりの空気を暖める。なにしろ走行中の乗用車一台は、約三〇キロワットの超強カヒーターに等しいのです。そのため、都市化が進む場所に置かれた温度計の読みは、少しずつ上がっていきます。 都市化で緑が減っても、気温は上がります。植物の葉っぱで進む水の蒸散は「吸熱変化」だから、まわりの空気を冷やす(打ち水と同じ原理)。カンカン照りの日でも葉っぱが熱くないのは、葉っぱ自体も蒸散で冷えるからですね。 都市化は気温をどれくらい上げるのか? やや極端な例ですけれど 、東京の都心を例に見積もってみます。 『「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)

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