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2022年10月20日木曜日

アメリカ全土の地上気温

アメリカ全土の地上気温 アメリカの地続き四八州には一二二〇か所ほどの気温観測点(アメダスのような設備)が置かれています。場所それぞれの気温変化を色分けで示した地図を眺めると、大都市は気温上昇が激しい半面、田舎の気温は「ほぽ横ばい」に見え、なんとなく下がり気味の場所も少なくありません(都市化のパワーはウソで考察)。 これではまずい‥‥都市化の影響を受けない場所の気温トレンドをつかもう―――と思ったのでしょう、NOAAなどの関係者は二〇世紀の末ごろ、アラスカ州とハワイ州も含むアメリカ全土から、都市化に無縁な観測点だけを精選し、二〇〇五年一月から測定データを公表してきました。それを合衆国気候基準ネットワーク(略称USCRN)と呼んでいます。いろんな面で評価の分かれるアメリカも、この一件は感動モノです。 USCRNの事業には、アラスカ州の二二地点とハワイ州の二地点、カナダの一地点も含む計一三九の地点が選ばれました。北海道より広いペンシルベニア州とオハイオ州には、なんと一か所ずつしかありません。よほど慎重に選んだわけです。 アメリカの面積は陸地全体の七%弱なので「世界」とはいえないし、データの公表開始から経過した時間(一七年四か月)も、いま注目している「三〇年」には届きません。とはいえ、測定法や設備の管理に(たぶん)抜かりがない国のデータだから意味は十分あると考え、月ごとに更新されてきた結果をざっと紹介しましょう。

USCRNのページに入り(★)、ちょっとした指示に従えば、月ごとの気温偏差をグラフ化できます。測定値はかなりの上下動(一~三℃)を示すのですが、月ごとの気温が平年値から二℃や三℃くらい動くのは、日ごろよく経験することですね。 ★米国地上気温変移さて一七年四か月の全体を眺め渡したとき、老眼のせいでもないのでしょうが、激しい上下動の中に、明確なトレンドは読み取れません(二〇一八年一月までの結果は『狂騒曲』 2章に転載)。目分量ながら、過去一七年四か月は「ほぼ横ばい。上がっても〇・二℃程度」と見えました。USCR事業が始まる前の気温もそんな動向だったと考えれば、過去三〇年間の温度上昇はせいぜい〇・二℃~〇・三℃といえそうです。

『「気候変動・脱炭素」14のウソ』渡辺正著(丸善出版株式会社)

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