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2026年6月14日日曜日

◆ 温帯の島国 日本 ◆『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より

◆ 温帯の島国 日本 ◆ この頃から日本は温帯の島国でした。梅雨などの雨季もあり、周期的に雨が降ります。夏になると太陽光が強く降り注ぎ、光合成を促進して植物がよく育ちます。秋は台風がやってくるなどしますが、実りの多い季節です。生活は安定していました。 冬になると雪が降りますが、この頃の日本には豪雪地帯はなかったとされています。 大陸とは地続きで、対馬海峡がまだ閉ざされた状態でしたから、日本海に暖かな対馬海流は流れ込んでいませんでした。日本海は今よりも冷たい海だったのです。海水温が低かったので水の蒸発量は少なく、現在の北陸から東北地方にたくさんの雪が降ることはありませんでした。 やがて対馬海峡が広がりました。南方の太平洋から流れ込んだ暖流は九州にぶつかり、その太平洋側が日本海流と呼ばれる暖流になります。それが日本海側に流れ込むようになったのが対馬海流です。対馬海流のおかげで日本海側の海水温が上がりました。温かくなった海水は大量の水分を蒸発させます。そこに大陸から冷たい西北風が 吹き込みます。水蒸気をたっぷり含んだ冷たい風が日本列島の中央山嶺にぶつかるので、北陸から東北地方は世界でも有数の豪雪地帯になりました。豪雪の雪解け水が日本の農耕文化を育みました。 雪解けの頃、中国の奥地から偏西風に乗って黄砂がやってきます。昨今、黄砂は悪者扱いですが、本来はこれも日本への恵みの―つでした。黄砂は弱アルカリ性です。 耕作を続けると農地は少しずつ酸性になっていきます。土地がやせてくるわけです。 これを黄砂が防いでいました。日本の土地が安定的に粟や稗(ひえ)、コメなどの農作物を栽培しやすいものだった理由の―つです。 黄砂は海にも降り注ぎます。海も酸性になりがちなので、黄砂は酸性とアルカリ性を調整する役目を果たします。そのおかげで日本近海は漁獲量の多い豊かな海になっていました。 計り知れないほどの自然の恩恵に恵まれ、しかも周囲を海に囲まれていたのが日本でした。外敵の侵入も少なく、海洋性の穏やかな気候の日本で育まれた思想は、大陸で生まれたような自然と対決する思想ではなく、自然に感謝する思想です。山や川、野の恵みに感謝する宗教が自然と生まれたのです。 『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080614

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