◆ 世界でも珍しい「温帯の島国」 ◆
日本という国は、世界の国々と比べ、極めて独特です。独特の国民性を持っていることをしつかり理解し、他の国々と違うということを意識するのは大切なことです。
日本においては正しいと思われていたことが世界共通ではないこともたくさんありますし、世界共通だから日本人もそれに従わなくてはいけないということでもありません。
すでに触れたように、日本は世界でも珍しい「温帯の島国」です。この地理的な違いが、国民性や文化、風俗などの点で独特なものを生む基盤になっています。
それに加えて、日本列島の面積は約37万平方キロメートルで、広くもない、狭くもないということがあります。あまり狭い島国だと人口も多くなりません。人口が少ないと文化も育たないのです。人口が1億人を超すくらいになると、それなりに独自性を持った文化が生まれるものです。
自然環境という点でも自立した生態系が形成されます。
クマや鹿など、ある程度の大きさの動物が棲むことができます。鳥類でも翼長が1メートルくらいの鳥、トキや丹頂鶴などの大きさの鳥が生息できます。
ゾウやキリンほどの大型の動物は棲むことはできないのですが、ある程度の大きさの動物を育む生態系が維持できるだけの広さは、これもまた独特の文化を育む要素になります。
何より、海に囲まれていることに意味があります。海から蒸発した水が雲となって中央の山脈にぶつかり、雨が降って常に湿澗な状態となります。ある程度温暖であり、植物の育成にも適しています。海からは人間の生活に欠かせない塩がとれます。
『かけがえのない国 誇り高き日本文明』武田邦彦著 MdN出版(R05年)より R080609

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