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2023年7月4日火曜日

●分別した方がごみが増える?

●分別した方がごみが増える? 次に、ごみはどうなったのだろうか。 黒丸の線がペットボトルの消費量で、白丸の線が分別回収量なので、その差が家庭や事務所から「ペットボトルの形をしたまま捨てられたごみ」である。そのごみはリサイクルが始まった当初、平成5年は消費量12万トンだったが、平成16年はペットボトルの消費量が51万トンで、分別回収量が24万トンだ。差し引き27万トンがごみとして捨てられている。 分別回収するとごみが倍になった!

なんということだろうか。平成5年まではごみの分別などしなくて良かった。それを「分別すると大量消費が止まり、ごみも減る」というから苦労してごみを分別して出すようになった。それなのに、大量消費をさらに拡大し、ごみも増えるというならば分別はなんのためにやっているのか。 実は、ペットボトルの分別回収が始まろうとしていた頃、日本の環境団体はペットボトルのリサイクルに反対していたのである。今では環境を守るためのトップバッターのように言われているリサイクルだが、最初は「環境に悪い」と信じられていた。 「あいちごみ仲間ネットワーク会議」というごみ問題の団体がある。その代表である岩月宏子さんが、次のように発言している。 「(小さなペットボトルが販売されると)小さくて気軽に飲むようになり、量が増えると、それだけ回収しにくくなる。空き缶みたいな感覚で、道路に捨ててしまう人もいるだろう。大量投棄に拍車をかける」 実に的確な予想だった。さすが環境に関心のある人だけに正しい見方をしていた。 また、「ペットボトルをやめさせる会」という会もあり、その事務局は「ペットボトルの回収が始まると、自治体が負担する年間の回収費が清涼飲料関係だけで563億円になる」と試算して反対していた。これも正しい。 ペットボトルの分別回収をすると、逆に大量消費を進めることになるし、おまけにお金も余計にかかると予想していたのである。さすがは環境団体である。普通の人がまだ環境のことを真剣に考えていない時に鋭い指摘をしている。そして、事実もその通りになった。 もちろん、ペットボトルを製造したり販売したりする方は商売に関わるから、反撃に出た。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230704

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