このブログを検索

2023年7月3日月曜日

第一章 資源7倍 ごみ7倍になるリサイクル…… ●ペットボトルのリサイクルで環境を汚している

第一章 資源7倍 ごみ7倍になるリサイクル…… ●ペットボトルのリサイクルで環境を汚している 環境問題にまつわるさまざまなウソを取りあげていくが、まずはペットボトルのリサイクルから話を進めよう。 読者の多くはペットボトルを毎日のように分別しているだろうし、分別するのは面倒だからしていないという人も「環境が大切だから、本当はペットボトルを分別しなければならない」と後ろめたく思っていることが多い。 しかし、本当は逆なのである。事実から示していきたい。 ペットボトルのリサイクルを始めた平成5年(1993年)から平成16年(2004年)までのペットボトルの消費量、回収量、再利用量を図表1-1に示した。黒丸を結んだ一番上の線は「ペットボトルがどのぐらい売れたか」という販売量の実績である。ペットボトルの消費量と言ってもいい。 ペットボトルの販売量を示す線と、ペットボトルの分別回収量を示す線は平行になっており、両方とも増え続けている。これが意味するところは次のようなことだ。 平成5年にペットボトルは12万トン販売された。当時はほとんど分別回収が行われていなかったので、この12万トンはそのままごみになっていた。そして分別回収が進んできた平成8年になると、販売量は18万トンで回収量は0.5万トンとなった。しかし、回収されたペットボトルはまだ利用されていなかったので、ごみは6万トン増えた。

それから、「分別回収量が増える」につれて「販売量もウナギ登りに増える」結果となった。図表1-1からも、ペットボトルの分別回収が進むと販売量、つまり消費量が増えたことがわかる。これが「平行線」の意味である。 確か、リサイクルをしようということになったのは、「大量消費はもう止めよう!」ということからではなかったか。 それなのに、ペットボトルの分別回収が進むと消費量も上がり、その上がり方も半端ではない。1年間に販売されるペットボトルは12万トンから50万トンを越えるまでになった。国民一人当たりで言えば、500mlペットボトル換算で8日に1本の割合で使っていたペットボトルを2日に1本の割合で使うようになったのだ。 分別回収は大量生産、大量消費を加速している。どうしてこんなことになったのだろう。 ペットボトルは大変に便利だが、同時にものすごく「かさばる」。分別して10本もごみ袋に入れたらもう一杯になる。だから、ペットボトルを廃棄物貯蔵所に持ち込んだらたちまち貯蔵所は満杯になって、捨てる場所がなくなり、日本の環境は破壊されるとみんなが思った。だから分別回収してもう一度、使おうということになったはずである。 つまり、リサイクルすればペットボトルの販売量は減るはずだった。それなのに逆に販売量は4倍に増えている。予想や常識とは異なっているが、あなたがペットボトルを分別すればするほど、日本の大量消費を後押ししていることになる。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230703

0 件のコメント:

コメントを投稿