
人間の1代は大体30年ですから、100年経てば3代です。100年前の8人から遺伝子をもらって今自分がいるわけです。2の3乗で8人です。 200年あるいは180年で6代ですから2の6乗で64人、先祖の数は64人となります。これが1000年になると、 33代ですから、2の33乗で「8,589,934,592」、私たちにはそれぞれ85億8993万4592人の祖先がいることになります。現在の世界人口より大きい数字です。 1000年前と言うと平安時代にあたりますが、当時の日本の人口はせいぜい500万人から1000万人だと試算されています。島国ですから、いとこ同士など、近い血縁での結婚もあったでしょう。いずれにしても日本人の遺伝子は混ざり合っています。計算すると、日本ではほぼ600年で遺伝子がすべて混ざることになります。 関東に住んでいようが、四国に住んでいようが、北海道に住んでいようが、日本人には共通性があります。日本人は皆、血が混じり合っていて、全員が兄弟なのです。背が高いとか顔の形がどうのこうのなどと言いますが、外国人の肌の色や体格、生 活習慣や考え方の違いに比べれば、日本人は皆同じと言っていいでしょう。ちょっと近くに住んでいる人同士であれば、ほぼ99パーセントは同じ遺伝子です。 日本人は、顔を見れば日本人だとわかります。陸上競技で日本人が走る様子を見れば、アフリカ系の人とは走り方が明らかに違います。白人系の人の走り方とも違います。骨格のつくりや基本的な部分において、日本人のほとんどは一緒です。 日本人は皆、家族のような存在です。 自分に子供があるかどうかなどは関係なく、そこに子供がいれば、たとえば隣の家の子供でも、自分の子供と同じです。私たちは共通のご先祖様から日本人というものを引き継いだ、共通の日本人なのです。 昨今は自宅の仏間におじいさんやおばあさんの代からの写真を並べている家は少なくなりましたが、かつてはご先祖様の写真を家に飾ることは普通でした。 家族の先祖を敬うというのはもちろん立派なことですが、その家族の生まれた地域には同じ先祖というものがあります。周辺の地域全体の祖先を敬うお祭り、あるいは先祖を慰めるような集まりをさらに大事にするべきだろうと思います。 最近は地方に伝わるお祭りも減ってきたように思います。共通の先祖を持っているはずなのに地域同士の結び付きが希薄になってきた、ということです。 つながりということで言うなら、子供は親のものではなく、住む地域の皆のものと言ってもいいでしょう。むしろ血のつながった兄弟のほうが、性格は似ていないことが多いものです。 自然を敬い、先祖を敬い、自分をこの世に出してくれた両親を敬い、そして育ててくれた環境を敬うのが日本人なのです。 『かけがえのない国――誇り高き日本文明』 武田邦彦 ((株)MND令和5年発行)より R060221 197
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