
日本では農業従事者における65歳以上の比率が5割を超える結果だが、これは他の産業ではすでに定年に達している歳である。農業には定年がないのでピークが65歳以上になっているが、これは実態として若い人には、ほとんど農業に従事する人がいないからである。 これに対して、先進国との比較をすると、多くの先進国は農業従事者が30歳の後半から50歳ぐらいにかけて多く働いており、他の産業の年齢分布とあまり大きくは変わっていない。食糧自給率といい、農業に従事する人たちの年齢分布といい、日本の農業が相当に危機的な状況になっていることがはっきりわかる。 先ほど石油が十分にあり日本の工業が盛んでそれを輸出して外貨を稼ぎ、外国から食料を輸入できる状況下では食糧自給率はあまり問題にならないと書いた。確かに、自動車を生産して食糧を買うことができるという状態が永久に続くならば、生存するためのカロリーを確保するという意味では食料を自給しなくても済むかもしれない。しかし、人間の体と食糧の関係はそれほど単純なものではない。 『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』武田邦彦 洋泉社刊 2007年 20230925 206
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