
でもこのグラフを見ると、何かおかしいですよね? 喫煙者率が減り続けているならば、肺がん死亡者数が減ってもいいはずなのに、1999年に胃がんを抜いて死亡要因のトップとなったように、肺がんは増え続け ています。つまり「タバコを吸う人が減ったら肺がんが増えた」のです。厚労省は、タバコを吸っている人と吸わない人を比べると、喫煙者は1.6倍がんになりやすいと発表していますが、だったらこんなグラフになるでしょうか? もうひとつ、データを挙げましょう。仮に、「タバコを吸うと肺がんになる」というならば、喫煙率が高い国の人たちは、肺がん率が高いはずです。 (WHO「タバコアトラス2002」) 世界の男性喫煙人口率トップ10はこうなっています。 ① モンゴル(67.8%) ② 中国(66.9%) ③ 韓国(65.1%) ④ トルコ(60ー65%) ⑤ トンガ(62.4%) ⑥ アルバニア(60.0%) ⑦ インドネシア(59.0%) ⑧ スロバキア(55.1%) ⑨ フィリピン(53.8%) ⑩バングラデシュ(53.6%) では男性の肺がん死亡率はどうでしょう? トップ10は以下の通りです(世界地図『2006肺ガン死亡率トップ10』より http://www.mapsofworld.com)。 ① ハンガリー ② オランダ ③ ルクセンブルク ④ ベルギー ⑤ クロアチア ⑥ イタリア ⑦ ポーランド ⑧ エストニア ⑨ ギリシャ ⑩ イギリス どうです?喫煙人口と肺がん死亡率、まったく関係が見い出せないですよね? つまり、喫煙と肺がんの間には科学的な因果関係がない、とこういうことになります。科学者の立場からすると、肺がんの原因には大気汚染など別の要因があるのではないか、と考えてしまいます。 もう一度、(170ページ)このグラフを見てください。 禁煙運動が盛んになり始めた80年代で考えてみます。グラフの82年頃の数字を見ると、喫煙者率は約70%です。男性の人口は約6000万人ですから 、喫煙者率70%ですと、喫煙者数は4200万人になります。喫煙者は20年後にがんになると言われていますが、2002年の肺がん死亡者数を見ると約4万人です。つまり、4200万人のうち、肺がんで亡くなったのは、1000人に1人以下ということです。 実際は4万人の中にタバコを吸わない人も混じっています。比率は1.6ですから、計算上、4万人のうち、喫煙者は約2万5000人、非喫煙者は約1万5000人になります。4200万人の喫煙者のうち、2万5000人が肺がんで亡くなったということになるので、実際は喫煙者の1万人肺がんで亡くなったのはたった6人 、ということになります。率にすると、わずか0.06%です。 仮に、喫煙者の1000人に1人が肺がんになったとしましょう。病院で診察を受けるのは、その1人です。この患者さんに限って言えば、「タバコを吸う=肺がんになる」という仮説が当てはまります。しかも、実際の患者は1人ではありません。約10年前には、喫煙者の肺がん患者が約4万人いました。 4万人が、医師にかかったということです。 医師からしてみれば、タバコを吸って肺がんになる人ばかりが来るのです。必然的に、「タバコを吸ってはダメですよ」ということになります。これは医師の良心です。 しかし私は、病院にやってきた1人ではなく、行かなかった999人のことを考えます。この999人は、タバコを吸っていたにもかかわらず、肺がんにもならず健康だった、ということです。さあそれでもあなたは、タバコを吸うとがんになる、と言い続けますか? 『「正しい」とは何か?』武田邦彦著 小学館より
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