
「何もないところからビ ッグバンが起きた」という説明は、現代科学としては科学の 基本にまったく反したものであって、そんなことを突然言われたら誰もが「いやいや、そんなことはないよ」と思うはずです。 ところが、主流の理論は一般の感覚とは違います。「物質というのは不滅の法則があるのだから 、ビ ッグバンが起きたところには何かがあるはずだ」というと物理学者や天文学者は「いや、違うのです」という。 146億年前に爆発したというとその以前、たとえば150億年前というのはどこがどうなっていて何があったのかと聞くと「その146億年前に初めて“時間”というものができたので、その前には時間はありません」という。 「時間がないというのはどういうことですか?」「だってそこに何かモノがあったのでしょう」と食い下がってみても「いやいや、何もなかったんですよ」とこういうことになるわけです。 そして、最先端の宇宙科学においてはこのような宇宙誕生のビ ッグバンの話を認めた上で現在の太陽系なり銀河系なり私たちの生命なりの説明がなされています。 しかし、その説明をしているいちばんの根本のところが、現代の私たちの知識からすると奇想天外でまったく信じられない話なのです。 だから私たちが、世の中のどれを信じてどれを信じないかというのは、一つひとつにきちんと当たってみなければいけません。 ダイオキシンの毒性の話も、血圧やコレステロールの話も、みんな基本はこれと同じです。ですから私は、慎重に 一つひとつを調べます。 先日テレビに出演して新型コロナイルスについて話していたところ、私の話が楽観的過ぎるとでも思ったのでしょう、ある女性が「感染すると高齢者は死ぬのだから、そんな危険なことを言ってはいけません」と私に反論してきました。 それで私はその女性に「こういう公共の電波を使ったテレビで発言をするときは、NHKがそう言っていたとか新聞にそう書いてあったというだけではダメですよ。自分で新型コロナで死んだ人の年齢を調べましたか? 私が調べたら、通常の亡くなる方たちの平均年齢よりも少し高かったのですが。それを調べて今のお話をされていますか?」と言ったら、彼女は「誰かが言っていた」ということだったのです‥‥‥。 今のこの世の中というのは、このように みんなの噂によって認識が構成されていると言えるでしょう。 『フェイクニュースを見破る 武器としての理系思考』武田邦彦 (ビジネス社刊) R060702 P170
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