何だかんだ言っても、やはりみんな幸福な生活を望んでいるのではないでしょうか。そのために、日々生活し、活動し、出逢いなどなど行っています。日常の生活で感じた事、実際に経験したことなど、徒然のままに、記録してみます。
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2024年8月7日水曜日
【フィリーズ・サンチェスが6回1失点の好投!グラテオルは復帰登板で負傷降板...】フィリーズ vs ドジャース 試合ハイライト MLB2024シーズン 8.7
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十二 酒席の心得
十二 酒席の心得
日本人の酒席の乱れは国際的に有名である。体力の差もあろうが、西欧社会では紳士が酒席で乱れて醜態を演ずるということは、許すべからざることとされ、一方ではアルコール中毒患者は世間から敗残者と見なされて、酒びんを片手に持ちながら、アルコール中毒患者ばかりの集まる一角に、亡霊のように蹌踉(そうろう)と歩んでいる姿を見ることができる。
日本では、酒席は人間がはだかになり、弱点を露呈し、どんな恥ずかしいことも、どんなぐちめいたこともあけっびろげに開陳して、しかもあとでは酒の席だということで許されるという不思議な仕組みができている。新宿にパーが何軒あるか知らないが、その膨大な数のバーでサラリーマンたちが、今夜もまた酒を前にして女房の悪口を言い、上役の悪口を言っている。そして酒席の話題は、ことに友だちの間では、男らしくもないぐちゃ、だらしのない打ちあけ話や、そしてあくる朝になれば実際は忘れていないのに、お互いに忘れたという約束事の上に成り立つところの、小さな、卑しい秘密の打ちあけ場所になっている。
つまり、日本における酒席とは、実際は純然たるプライベートな場所ではないにもかかわらず、バプリックな楊所で、人前でありながらプライペートであるという擬制をとるような楊所なのである。人が聞いていても聞かぬふりをし、耳に痛くても痛くないふりをし、酒の上ということですぺてが許される。しかし「葉隠」は、あらゆる酒の席を晴れの場所、すなわち公界(くがい)と呼んでいる。武士はかりにも酒のはいった席では、心を引き締めていましめなければならないと教えている。これはあたかもイギリスのゼントルマンシップと同様である。
「大酒にて後れを取りたる人数多なり。別して残念の事なり。先づ我が丈け分をよく覚え、その上は飲まぬ様にありたきなり。その内にも、時により、酔ひ過す事あり。酒座にては就中(なかんづく)気をぬかさず、不図事出来ても間に合ふ様に了簡これあるぺき事なり。又酒宴は公界ものなり。心得(こころう)べき事なり。」(聞書第一 一二八頁)
しかし「葉隠」がこのように言っているのは、これと反対の事例が、いま同様いかに多かったかを証明するものでしかない。
『葉隠入門』三島由紀夫 (新潮文庫) 20240807 P52
2024年8月6日火曜日
十一 常住の死と覚悟
十一 常住の死と覚悟
この第九項、第十項に述べたことを「葉隠」はさらに詳しく、具体的に叙述している。
「五六十年以前迄の士(さむらいひ)は、毎朝、行水、月代(さかやき)、髪香をとめ、手足の爪を切つて軽石にて摺り、こがね草にて磨き、懈怠(けたい)なく身元を嗜(たしな)み、尤(もっと)も武具一通りは錆をつけず、埃を払ひ、磨き立て召し置き候。身元を別(わ)けて嗜み候事、伊達のやうに候へども、風流の儀にてこれなく候。今日討死討死と必死の批悟を極め、若し無嗜みにて討死いたし候 へば、かねての不覚悟もあらはれ、敵に見限られ、穢(きた)なまれ候故に、老若ともに身元を嗜み申したる事にて候。事むつかしく、隙つひえ申すやうに候へども、武士の仕事は斯様(かよう)の事にて候。別に忙(せ)はしき事、隙入る事もこれなく候。常住討死の仕組に打ちはまり、篤(とく)と死身に成り切つて、奉公も勤め武辺も仕(つかまつ)り候はば、恥辱あるまじく、斯様の事を 夢にも心つかず、欲得我儘ばかりにて日を送り、行当りては恥をかき、それも恥とも思はず、我さへ快く候へば、何も構はずなどと云つて、放埒無作法の行跡になり行き候事、返す返す口惜しき次第にて候 。平素必死の覚悟これなき者は、必定死場悪しきに極り候 。又かねて必死に極め候はば、何しに賤しき振舞あるぺきや。このあたり、よくよく工夫仕るぺき事なり。又三十年以来風規相替はり、若侍どもの出合ひの話に、金銀の噂、旧徳の考へ、内証事の話、衣装の吟味、色欲の雑談ばかりにて、この事のなければ 一座しまぬ様に相聞え候。是非なき風俗になり行き候。昔は二十 、三十ども迄は索より心の内に賤しき事持ち申さず候故、詞(ことば)にも出し申さず候。年輩の者も不図申し候へば、怪我の様に覚え居り申し候。これは世上花麗になり、内証方ばかりを肝要に目つけ候故にてこれあるべく候 。(略)」( 聞書第一 一二四頁)
『葉隠入門』三島由紀夫 (新潮文庫) 20240806 P50
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